経営計画を使ったコンサルとは
経営計画を使ったコンサルティングとは、経営計画を利用することで会社の業績を改善することです。経営計画を作成することで、自社の状態を客観的に見直すことで新たな問題点や気づきがうまれます。自社が現在おかれた状態と環境の変化、ライバルの動向を分析しながら、新たな事業戦略を決定します。
私は、あくまでも進行役で社長が主体となって経営計画を立案していきます。戦略計画のみではなく、数字計画も社長が作ることで会社の利益構造が明確になります。
明確なビジョンと計画を立案することで社長の心構えが変化し、行動に自身とやる気があふれてきます。これが経営計画を使用した経営改善の概要です。
経営計画を作成する理由
なぜ、経営計画(将来ビジョン)を作成しなければならないのか。
ビジネスでは多くの予期せぬ障害が発生します。景気の悪化や時代の変化はピンチでありますがチャンスともいえます。障害はピンチではなくチャンスなのです。明確なビジョンを持つことにより障害をチャンスに変換できます。明確な将来ビジョンがあることで、迷いなくビジネス活動を行うことが可能となります。迷いがない時に立ちはだかる障害は障害と感じません。成功者はそれをチャンスと感じるのです。目標の達成度を確実なものとするために経営計画を立案する必要があるのです。
なぜ、経営計画において数値計画を作成する必要があるのか
ビジネスにおいてキャッシュは、血液と同じ重要なものです。キャッシュを残さなければビジネスは成立しません。また、企業活動の成果は数値で表されます。計画の達成度を把握するためには数値も取り入れる必要があるのです。数値は、会社が行った行動を客観的に表すのです。自社の行った行動を客観的に管理するためには、行動計画だけではなく数値計画を作成する必要があるのです。
なぜ、5ヶ年計画を作成しなければならないのか
現代は、時代の流れが非常に速く1年先でさえ予想することは困難です。しかし、この状況においても5年程度の将来計画を作成しておくべきです。なぜなら、計画の立案過程において、経営者が自社の数字の流れを感覚として身につけられるからです。時代の変化が早く経営環境が変わったとしても、自社の数字の流れの基礎はかわりません。数字の流れを感覚としてもっていれば臨機応変な対応を取れるようになります。
経営計画の作り方(9STEP)
経営計画作成の流れ
経営計画(ビジネスプラン)の流れを説明します。計画作成が決定したら、作成メンバーの決定を行います。社長だけで作成するのか、幹部を混ぜるのか、会社の規模と能力によって決定してください。小さな企業であれば戦略部分の決定だけでも全社員で決定すると実行力に大きな差が生じます。
将来ビジョンの作成
5年後に自社がどういう状態になっていたいか、将来ビジョンの決定を行います。売上高、得意先との関係、手がけているビジネス、社員の状態・・など会社がどういう状態でいることが理想か時間をとってゆっくりと考えます。この場合、コーチングの技法をマスターしたメンターがいるのが理想です。そのようなかたが居ない場合には、ひとつひとつ自問しながら夢を描いてください。経営計画作成に当たって、ここが一番大切なところであり、重要なところでもあります。
SWOT分析
戦略を立てるためには、自社の現状をしっかりと認識する必要があります。「値段が安いのに売れない」と言っていたがよく調べてみると他店と比較して値段が高かったなど社内の人間は、自社の状況を主観的に思い込んでいます。また、社長が考えていることと現場での問題には大きな隔たりがあります。だからこそ、計画立案に当たって、白紙の状態で自社の状況を客観的に分析する必要があるのです。
自社を取り巻く経営環境を客観的に分析する技法の1つとしてSWOT分析があります。SWOT分析とは、自社を取り巻く経営環境を、強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) で客観的に分析していく手法です。
SWOT分析は、 社長だけではなく社員も参加した会議で行うと効果的です。これにより社員も自社を取り巻く環境と自社の強みと弱みを客観的に分析することができます。
過年度分析
将来の計画を立案するに当たり、まず過去の結果を分析します。主要な科目別に勘定科目をならべ時系列で金額と比率の推移を確認していきます。年数としては、3年~5年程度で十分です。
注意していただきたいのは、減価償却費や役員報酬等は利益調整を行っている可能性があるということです。それぞれ償却率や労働分配率を確認して適性な償却額の場合の利益推移を確認するようにします。
また、各年の利益の状態やCFの状態を調べ、原因分析を行っていきます。従業員数についても数値と大きく絡んできますので、可能であれば加味して分析を行っていきます。
決算書の訂正
多くの決算書は、税金計算のための利益だけを正確に計算すればよいという形で作成されています。例えば、車の長期ローンが流動資産である未払金に計上されていたり、固定費と変動費を同じ科目で処理しているために分析を行いづらいものとなっている決算所が多くあります。 これらについては、正しい会計処理方法に変更する必要があります。また、法人税等を発生主義で経理しておらず翌期に費用処理しているものについては、発生月の経費に訂正します。
固定費の予測
リース費用等将来の発生額が予測できるものを事業年度ごとに集計します。再リースが予想されるリース物件については再リース費用を毎期予測計上します。
売上の分解
経営計画を作成しやすいように、売上を分解していきます。代表的な分解の仕方には次の2つがあります。
1)プロダクトミックス
粗利の異なる商品ごとに 商品を分類する方法です。
2)セールスミックス
得意先ごと、もしくは粗利の異なる得意先ごとに売上高を分解します。前年の月別の集計表を作成するとわかりやすいでしょう。
売上高の予測
売上高の予測には「戦略から予想する方法」と「売上から戦略を考える方法」の 2通りがあります。
計画の修正
1~8で作成した計画で、将来の資金繰りの健全性、内部留保の多寡をチェックします。財務状態が良好で無い場合や戦略目標が達成できない場合は再度検討を加えてやりなおします。
良い経営計画作成を作る5つのポイント
経営計画を作成する場合に注意すべき5つのポイントがあります。記帳な時間を割いて経営計画を作成するのですから、どうせなら良いものを作成したいものです。次のポイントを守りよい計画を作成してください。
穴熊になる。
経営計画の作成には集中力が要求されます。計画で盛り上がっているところで、「社長お電話です。」と電話に電話に出たら営業の電話だった・・・。このような形で計画が中断しては、せっかく思いついたアイディアも忘れてしまいます。経営計画を作成する場合には緊急の電話以外はすべてシャットアウトしてください。そして、できるのであればホテルのラウンジなど集中できる環境で完成するまで帰らない覚悟で作業を行ってください。
利益を認識する。
御社は、なぜ経営計画を作成するのでしょうか。「銀行にいわれたから、経営計画を作ることが重要と聞いたから・・・」これでは、最後まで計画を作成することができないばかりか、計画ができたとしてもまったく活用されないものとなってしまいます。
経営計画を作成すると会社には、多くのメリットが生まれます。自社のおかれた状況が明確にわかり、行動すべきことがすべてリストアップされます。何をすべきかが明確になるのです。また、思考は現実化すると言う言葉があるとおり明確な目標を持つことにより、願望が実現されます。
完璧を求めない。
経営計画が挫折する原因の1つに完璧な計画を作成しようとしてしまうことがあります。「将来のガソリン代が予想できない。個別に減価償却費を計算していくと訳がわからなくなる・・・」中小企業の経営計画は、上場企業の利益予想と違います。完璧な計算をしようとするには、多くの予算と時間が要求されます。計画で大事なことは、「これぐらいの売上であればこの数字が動く、借入の年間返済額の目安はどれぐらいだろうか。など」計画作成時にあります。
精密な予測をしようとすればするほど、時間がかかり終わらなくなってしまいます。
社長が作成する。
90%の社長は文章を書くことや数字の計算を苦手としています。そこで、経営計画の作成を顧問税理士や社内の財務担当者に依頼してしまうケースが多くあります。しかし、このようにして作成された経営計画は、社長の思いを反映していないばかりか社長が理解することができません。経営計画作成の過程で社長がなやみ、考えたからこそ全ての数字と内容が社長の頭にたたきこまれるのです。
補助的な集計等は、部下や税理士さんに任せてもよいですが、計画の肝は、社長自らが立案することが重要です。
自分を追い込む。
経営計画の作成を意識したものの途中でやめてしまうかたが非常に多いと聞いております。計画の作成を確実なものとするには、「必ずやり遂げる決意を持つ。」ことが重要となります。そのために、自らを追い込んでやらざる得ない状況にしましょう。
ではどのようにすればよいのでしょうか?簡単です。かならず計画を完成させることができる方法があります。それは・・・、何月何日に経営計画の発表会を行うと社内に公表してしまうのです。可能であれば取引銀行にも連絡してしまいます。どうでしょう?これであとに引くことはできなくなりましたね。
Q&A
経営計画の作成にはどれぐらいの時間がかかるのでしょうか
社長様の作業時間は、おおむね丸一日、若しくは2日間まるまるかかります。時間にして、10時間~20時間はかかります。ただし、経営計画を作成するほとんどの社長様は「もうこんな時間なのか!もっと時間をかけて戦略を考えたい」と希望されます。自社の事業について考えるのに熱中しないわけがないのです。なお、弊社の作業時間はこの3倍~5倍はかかります。
現在、経理業務と税務関連業務を税理士に業務を依頼しておりますが、経営計画のみを依頼することは可能でしょうか。
はい、もちろん可能です。経営計画の作成業務は、御社の税理士様にご迷惑をおかけしないよう行わせていただきます。もちろん、税理士様に秘密で依頼されても結構です。
計画の達成度を確認するためにはタイムリーな月次決算が要求されるとのことですが、なかなか試算表が作成できません。月次決算の迅速化を指導していただくことは可能でしょうかか。
はい、可能です。ただし、会社で経理の専門家に仕事を依頼している場合には、そのかたにご相談ください。その上で、改善がされない場合については、こちらから指導させていただきます。
経営計画の効果
経営計画の最大の効果はなんだと思われますか。
みなさんは、目標や夢をもっていますか。持たれているかたも多いと思いますが、それを常ひごろ文字にしていらっしゃるでしょうか。「目標は常に頭の中にある。」という方も多いのではないでしょうか
日ごろ考えていることが現実になります。
年商300万の企業が年商1億を達成することをずっと考え、あきらめず実行していれば必ず実現することが可能です。これは、多くの成功者が実行しており、かつ、失敗者が実行していないことです。
文字にしてみることで自分の考えが整理され、初めて自分の考えがわかります。よほどの天才ではない限り頭の中だけでは、考えがまとまりません。
ビジネスは、非常に複雑なものです。新しいことを行う場合には、営業、製造、人事、税務、資金繰りなど多種のことを考える必要があります。これらのことを短時間で整理し、迅速な意思決定を行う必要があるのです。
経営計画の作成を通じて、実行すべきことを「文字」にしてください。そして、それを手帳などにも書き込み、常に意識し、実行するし続けることが重要です。意識を変えることで、ビジネスは必ず変化します。